京都「いいBARに出会いなさい」

河原町三条「BRITISH PUB CAPO」

河原町三条上ル一筋目東入ル北側、京都随一の老舗花店「花政」の向かいにあるのは今回のBAR「BRITISH PUB CAPO」。この通りは行列のできるケーキ屋さんや毎週行ってしまう程に大好きなメキシコ料理店があったり、私もお気に入りのエリアですが、このBARを知ったのはつい最近のこと。京都中の素敵なお店をたくさん知っている大人のお姉さんとお兄さんに連れてこられたのがここでした。その夜の余韻がずっと残っていて、今回は友人との再訪です。

入り口の木製のドアは常に開かれていて、そこからこぼれるオレンジ色の光に誘われるように店内に入ると10席ほどのカウンターにマスターが一人。一番奥の席に案内していただくと、すぐに「この間の!」と気がついてくださり、ついつい浮かれてしまいます。
ここに来る前に先輩から「BARではハイボールを頼むとそのお店のことがわかる」と聞いたばかりの私たちは、ドキドキしながらハイボールを注文。ニッカウイスキーから出たウイスキー「ニッカフロンティア」がおすすめということでわくわくしながら注文を待ちます。

こぼれるオレンジ色の光に誘われて

ついこの間、5月8日に16周年を迎えられたそうで店内はお祝いの空気にまだまだ満ちていて、数席隣で盛り上がる外国人三人組の声も心なしか陽気に聞こえます。

さて、気がつくとすっと出されたハイボール。薄めのグラスに綺麗なレモン色、ウイスキー特有の樽の香りに急かされるように手短に乾杯をして口に入れると、ちょっとクセのある後味に感動。そのあとはゴクゴクと喉に流れて、美味しいお酒で体が満たされていく幸せに浸ります。

ハイボールって私もそれなりのこだわりで、それなりに上手に作れる自信があるけれど、やっぱりプロが作るものを飲むと全然違う。「全然ちがうんだよなあ」と思いながら、どうしてこんなに違うのかわからないハイボールをまた一口、二口。プロの仕事への感動は止まりません。

マスターと強烈姉妹との出会い

マスターの古園さんにBARはBARでもなぜブリティッシュパブを始められたのか、じっくり聞いてみました。すると、「10代の頃に、とある強烈な姉妹に出会ったから」と、予想にもない答えが。

なんでも、人生に悩んだ10代後半の頃にブラジルと日本のハーフの強烈姉妹に導かれ、ロンドンに2ヶ月ほど滞在したことが転機となったそう。「人生って何が起こるかわからない」とその頃を思い出すようにきらきらした目で話してくださいました。気になる姉妹についてはとにかく「強烈」の一言。出会って数十年経った今でもお店に来てくれるし、人生に悩む若者がいたら絶対に会わせたい、と力強く話す姿が印象的でした。

そんな出会いがきっかけで、多くの常連さんが通う「BRITISH PUB CAPO」を生み出すことになるなんて、当時はまだ誰も想像していなかったはず。人との出会いを大切にされるマスターの人柄は物腰の柔らかい話し方や壁いっぱいのお祝いの熨斗紙からもひしひしと感じられます。いつか偶然、このお店でその強烈姉妹に出くわすという目標ができた私は、またすぐにここに来てしまいそう。

カウンターの他にも、お店の2階には広いテーブル席があり、大人数での利用も可能とのこと。イギリスのソウルフード、フィッシュアンドチップスや事前予約で頼めるラムチョップなどご飯のメニューも豊富です。ギネスのサーバーがあるのも嬉しいポイント。

プロの作る格別美味しいハイボール、ごちそうさまでした。

BRITISH PUB CAPO

住所:京都府京都市中京区河原町三条上ル一筋目東入北側
営業時間:17:00 ~ 2:00
定休日:日曜日
アクセス:地下鉄東西線「京都市役所前」より徒歩3分、京阪「三条」より徒歩5分


京都「いいBARに出会いなさい」

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