河原町三条「MÁXIMO」

むわっと広がる重たい湿気に生暖かい風、息をするのもやめたくなるようなこんな日は「メキシコできまり!」ということで、今回は私がここ最近大好きな「マキシモ」に、梅雨の気候から逃げるようにやってきました。河原町三条から歩いて二分、チカチカ光るネオンを目印にピンク色の扉をひらけばそこはメキシコ。

ちょっとここがBARかどうかはあやしいですが、そんなことよりメキシコです。どんな日に来てもこの扉を開けるときのわくわく感は特別ですが、今日は意気込みも格別。ずらっと並ぶメニューからとにかくナチョスとトマトサワーを頼むと、さっきまでの鬱々とした気持ちはすっかり吹き飛ばされてご機嫌な夜の始まりです。

癖になる味

一階は6席ほどのカウンターに、4人掛けのテーブル席。二階席もあります。今日は先ほど運良く空いたカウンターの端に座って、カラフルな食器や天井からこちらを笑うメキシコのお人形を見ていると、単純な私はそれだけで異国に迷い込んだような気持ちに。若い女性のお客さんから外国のお客さんまで店内は満席、嫌になる外の空気とは一転、活気に満ち溢れています。

早速、お皿から溢れそうなナチョスを前に乾杯をして、トマトサワーを口に入れると高かった体温がじわじわ下がるような感覚に嬉しくなってもう一口。今日もたくさんお酒が飲めそうな予感です。目当てのナチョスは、見た目の可愛さはもちろん、ずっとサクサクのチップスとなんだかいろんなお野菜とチーズがてんこ盛りで何度食べても癖になる味。お腹がいっぱいのときも、ペコペコの時も、もう飲めないくらいお酒を飲んだ後でも、これを食べなければ始まりません。小さいサイズと大きいサイズがあるのも、とってもありがたい一品です。

楽しく飲むテキーラ

気がつくとすっかり空になったグラスを片手にあれこれと悩んだ結果、2杯目はテキーラハイボールに。一緒に来たお友達にも早くグラス空けて!と急かしてミックスフルーツサワーも注文しました。テキーラがメキシコで作られるお酒だと知ったのは「マキシモ」に来てから。それまでうっすら怖いイメージだったテキーラがショットだけではなく、カクテルになったりハイボールで飲めたり、といろんな楽しみ方があることもここで教えてもらいました。

観葉植物としても売られるメキシコ原産の「アガベ」。そのなかでも特定の地域で作られる「ブルーアガベ」を原料に作られるテキーラは、種類によって飲み味も香りも千差万別、奥の深い世界だそうです。テキーラの違いがわかる大人になるべく、これからもマキシモで色々なテキーラに出会わなければなりません。

京都で出会うメキシコの夜

そんなふうにいつもいろんなお話をしてくれるのはご主人の月藤さん。実は音楽をされていたり、老舗の和食料理屋さんで働かれていたことがあったり、面白い経歴をもつ愛されマスターです。私を含めほとんどのお客さんが月藤さんのファンで、このお店に何度も来たくなるのは美味しいごはんや楽しいお酒ももちろんだけど、ついつい会いにきたくなってしまうから。使われているお皿、お店を飾る可愛い小物、店内で流れる音楽、どこを見ても熱いメキシコ愛が感じられる、熱いマスターです。

これからきっとまだまだ続く暑い夏の夜、そんな時は異国のはつらつな空気でアットホームに迎えてくれる「マキシモ」が、身体も心も元気に満たしてくれるはず。そう思えば京都の夏もこの梅雨も悪くないかもしれない、と少し前向きな気持ちで帰路に着く夜でした。

MÁXIMO

住所:京都市中京区恵比寿町446
営業時間:平日17:00~23:00 /土日祝 15:00~23:00
定休日:水曜日
アクセス:地下鉄東西線「京都市役所前駅」より徒歩3分、京阪「三条」駅より徒歩5分


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