京都「いいBARに出会いなさい」

祇園「よしなが」

4月も終わりに近づいています。どこか待ち遠しにしてしまう桜も、連日の雨であっという間に散ってしまいました。ただ、この時期に降る雨はうっかり感傷的になってしまうような、特別不思議な魅力を持つように思います。春雨というのもなかなかいいものですね。そんなセンチメンタルな4月の終わりに紹介したいBARは祇園の「よしなが」さんです。

畳のカウンター

祇園四条の賑わいをかき分けながら、祇園の北側をてくてくいくと今日の目的地が。店内に入ると思わず一度深呼吸を、と言いたくなるような大人の空間の真ん中で、このお店の麗しいママ、かよさんが迎えてくれました。ちなみにこちらは紹介制です。連れていただいた大人の方に合わせて一杯目はシーバスミズナラをハイボールでいただきます。

無意識に伸ばした背筋をそのままに、他の常連さんの様子を窺うとやはり京都の本物の大人たち(としかいいようがない)がしっとりお酒を楽しむ姿が。見様見真似で大人のふりをしながら飲むハイボールは、よかった、いつも通りの美味しさで心をほぐしてくれます。驚いたのはカウンターが畳であること。この記事を書くようになってからたくさんのBARに行くようになりましたが、こんなカウンターは初めてです。ということは、お行儀の良い人しかここでお酒は飲めないということ。冷静さをきちんと持ち合わせている日に来なければなりません。そういう場所があるというのはとてもありがたいことです。カウンター奥には床の間があり、お茶室のような空間が演出されています。

そして、桜が満開の時期には大きな窓から白川の桜が見下ろせるそう。なんと風流……。来年の桜の良い時期にはきっとここでお酒を飲みたい! 日々精進です。

酒場に師匠あり

そんなふうにどぎまぎしていた私も、グラスを上げ下げ、かよさんの美貌に目をキラキラさせているうちにすっかりいつもの調子に。どうだっていいような日頃の悩み相談なんかまで聞いてもらううちに、かよさんの虜になっていました(ここに来る大人たちと同じように)。

どうしてわざわざ身の丈に合わないような場所に緊張しながらお酒を飲みに行くの、とふいに思わない訳でもないですが、お酒あっての出会いは数知れず。たとえばこんな記事を書く機会を頂けたことも、ひとまわりもふたまわりも年上の友達ができたことも、そこにお酒があったから。人生の師匠と言いたくなるような大人たちは街の酒場にいることが多いみたいです。師匠がまた一人増えた春の夜、酒場という場所にまた助けられながら足取り軽く帰路につく深夜でした。

よしなが

住所:東山区末吉町
定休日:日曜日&祝日
アクセス:京阪「祇園四条駅」より徒歩5分
※紹介制


京都「いいBARに出会いなさい」

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