ナポリタンリップ#13受け継がれ、変わり続ける深夜のナポリタン

祇園の街で夜7時から朝3時まで営業している喫茶サン。たまごサンドが有名で、出前が9割のお店です。出前は多い時で50件ほど注文が入るという。両親から引き継いだ創業50年の店内はとてもレトロで、深夜にぴったりな落ち着いた空間が広がっていました。
今回は特別に営業前にお邪魔させていただき、お店のことやナポリタンについてお話を伺いました。
ーお店の名前の由来について教えてください。
意味は、「太陽」。親から引き継いだ名前。
当時は、最後に「ん」がつくといいと言われていたね「運」が付くって。「ん」が付くと良いから喫茶店の名前は全国で一番「ボン」が多いからね。あと喫茶店って立地条件と覚えやすいということが大事で、長すぎると記憶に残らない。だから二文字で「ん」がついている名前にした。
ーお店をご両親から引き継いだということですが、初めから夜に開店していたという事ですか?
当時の営業時間は、朝8時から夜の2時まで。
開店当時の祇園界隈は、毎月第2第4日曜日だけは営業無しなんですよ。第1第3日曜日は営業、第2第4日曜日は休み。だから月に2回しか休みはない。
ー今の営業スタイルに変わったのはいつからなんですか?
えーとね、大体それから15時開店になって。
15時から3時まで。だいぶちょっと長い。今度親が死んでからこの辺のバブルが崩壊してるから、それでもう今の19時から3時までになった。
ーたまごサンドの宅配を行なっているという事ですが、おひとりで行なっているのですか?
宅配は 5人ぐらいのローテーション。アルバイトの大学生に自転車で配達してもらってる。
ひとりで作って、ひとりで鍵かけて、ひとりで配達してって、まあそんな日もあったけどね。

ー
ナポリタンについて教えてください。
ナポリタンはね、昔はミートもあったんやけど、ミートはあんまり出ないからやめた。ミートソースは使わない分痛みやすいし。
やっぱ喫茶店って言ったらナポリタンかなって。ナポリタンは最初はあんまり注文されなかったけど最近はよく注文されるようになった。
ーたまごが乗っている所が特徴的だと思ったのですが、何かきっかけはありますか。
昔から乗ってる。あるものを使うっていう。別のものを使ったらあまりが出る。(たまごサンドとかで使うから)ある材料で作るっていうのがまあこの世界だから。
ー(メニュー表を見ながら)だから卵を使った料理がたくさんあるんですね。
そうそうそう。オムライスにしろ卵があるからオムライス、みたいに。
ーナポリタンの具材とこだわりを教えてください
あんまりこだわってない(笑)
まあ、他と比べたらピーマンとかみんな嫌いやから入れてない。嫌いな人がいたら抜いてくれとかどうのか言われるのがもう鬱陶しくなって。代わりにレタス。レタスっていうのはね、炒めたら美味しいんですよ。具材は
玉ねぎと人参と、ハム。それで、最後の方にレタスを入れる。やわらかいから仕上がる前に入れる。ソースはケチャップソース。


こういう歓楽街は昔はね、ホテルのシェフとかがお客さんでたくさんがきてはった。そしたらヒントをくれはる。当時は卵だけでたまごサンドを作ってるやん。
「お兄ちゃんそんなことしてたら美味無いで」って、あれ入れ、これ入れいうてヒントくれはる。

当時、歓楽街の中のご飯屋さんとか、食べもん屋さんはものすごい美味しいところが多かった。そやけど、バブルがバーンと崩壊してからそういう経験者がいなくなって教えてくれる人がいなくなった。料理っていうのは独断で作るのとは違うくて、誰かから教えてもらって初めてだんだんこう、上がっていくね。いろんな教えてもらったことを会得しながら少しずつ上がっていくのやから。誰かから教えてもらったことを自分でまた進化させていく。でもその教えてくれる人がいいひん。今は不景気でそういう風な余裕がなくなって、だから昔と違って味が全然進化しない。みんな誰かから吸収してんねん。やっぱ能力だけではあかんと思うわ。あと、なんかの失敗から生まれる場合もあるよ。なんかの失敗から「あっ」て思う時あるやん。この商売も。「あ、焦げた」と思ってもちょっと焦げたのが美味しさに繋がる場合がある。
ー
ナポリタンにも失敗から生まれた進化はありますか?
ある。それはちょっと言えへんけど。まあまあ、いろいろあるねん(笑)
カレーうどんもそうやん、夫婦喧嘩から生まれた。大阪のうどん屋の話で、自分たちが食べる用のカレーが鍋に入ってて、お釜にうどん玉掴んでぶつけたらぶつけ損なってカレーの鍋に入ってん。「何すんのあんた」って喧嘩し出して。その場は収まったんやけど、カレーの鍋に入ったうどん玉どうすんのってなって。
そっからもったいないしって、食べよかっと 2人で食べたらうまかったって話。
【ナポリタンの具材】
・レタス
・玉ねぎ
・人参
・ハム
・ケチャップ
・バター
【インタビュアーによる感想】
見た目も新鮮で、具材も一般的なナポリタンとは少し違い、食べる前からどんな味なのかとても気になるナポリタン。卵はキラキラと輝いていて、とてもワクワクした見た目の一皿でした。一口食べてみると、バターの風味が口に広がる全体的に甘めの味付けで、炒めたレタスのやさしい甘さとたまごの組み合わせも良く、今まで食べたことのない新鮮なナポリタンでとても美味しかったです。お店の場所は祇園で、普段あまり行ったことのないエリアだったこともあり、少し特別な気持ちで訪れることができました。初めて訪れた場所で、今まで食べたことのないナポリタンを発見することができました。レタスはナポリタンにとても合います。不思議でした。
今日のリップ
住所:〒605-0073 京都府京都市東山区祇園町北側
営業時間:19:00-3:00
定休日:日曜日
アクセス: 京阪 祇園四条駅から徒歩8分
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