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京都『緑寿庵清水』
「究極の金平糖」を作り続ける職人の精神

京都は左京区百万遍。大通りから少し外れたところに京都で唯一の金平糖専門店『緑寿庵清水』があります。

緑寿庵清水は1847年(弘化4年)に、初代の清水仙吉さんによって創業されました。

金平糖は、カステラなどと同じく、江戸時代にポルトガルから南蛮菓子の1つとして、日本に伝わりました。当時、砂糖自体が高級で手に入らなかったため、上流階級の公家や武士たちしか食べられない高価なものでした。その後、砂糖が一般に出回るようになり、庶民の間にも広がっていきました。

千利休が野点(野外で行う茶席)を行う際、茶菓子としていつも金平糖を持ち運んでいたという話も残っています。

金平糖には、決まったレシピというものがありません。

緑寿庵清水には大きな4台の釡があり、職人さんは毎日毎日、片時も釡から目を離さず、汗だくになりながら金平糖と向き合っておられるそうです。熟練の職人にしか作ることが難しい大変貴重な金平糖は、「究極の金平糖」と呼ばれています。

「金平糖は、私どもの全てです。『金平糖で笑って、金平糖で泣いて、金平糖とともに生きてきたんやなぁ。』と。」

毎日、必死で金平糖を作り続けるのは、初代から現代まで、金平糖作りを絶やさず行ってきた思いを受け継いでいるため。その精神は、優しい味わいの金平糖と共に生き続けています。

緑寿庵清水

住所:〒606-8301 京都府京都市左京区吉田泉殿町38番地2
営業時間:10:00~17:00
アクセス:京阪出町柳駅より徒歩10分
電話番号:075-771-0755


今日のひとくち

京都館の酒井先生より:
大きな釜を見せてもらったことがあります。これは調理のための道具というよりも工業製品で
す。そんなスケールの釜の中で小さい小さい金平糖が回っている姿が面白おかしかったです。
すでに有名な緑寿庵清水さんですが、本店は京都大学すぐ近くにひっそりとあります。いっぺ
ん行って、その時だけの金平糖を食べてみてほしいです。


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