書店主のおすすめ「京都本」

京都大学付近の古書店「井上書店」店主おすすめ京都の本3選

京都の暮らしから旅まで、寄り添う古書店

元田中駅から徒歩10分、左京区田中門前町に『井上書店』はあります。
井上書店は京都大学やパンで有名な「進々堂」も近く、学生以外にも多くの人が訪れる賑やかな町の中にあります。
本棚いっぱいに並べられた本はどれも興味を惹くものばかりで目移りしてしまいます。
文庫本や歴史書だけでなく、映画やレコード、芝居など様々なジャンルの本が多く自分の読みたい本に出会えます。

店主の井上さんは、とても優しい方でインタビューにも快く応えてくださりました。
色々な本を紹介して下さり私たちの知らないことなども教えてくださる、暖かく寄り添ってくれるお店です。

井上さんおすすめの、京都本3冊を紹介します。

京都に暮らしながら読みたい本

『京都の占有』2017年刊 西川祐子・著(¥3,500円 税込) 

京都の街は太平洋戦争の際、他の大都市と比較して戦火をあまり受けなかったことが知られています。

しかし、連合国軍による日本の各都市の占領は京都にも及び、1952年の講和条約発行まで続きました。

この本は今ではほとんど形跡の残っていない、云わば人々の忘れたい記憶としての占領を、京都の街からクローズアップする本です。店主の井上さんは戦前生まれで、インタビューした私達にもこの本をお勧めしながら戦後間もない京都の記憶をお話しいただきました。

時がどんどんと過ぎる中で、体験に基づく戦争の記憶がなくなりつつある今。この本をきっかけに戦争の記憶を後世に繋げられたらいいなと思います。

京都へ訪れる前に読むべき本

『再撰花洛名勝図会』1864年刊 木村明啓・編(¥40,000 税込)

この本は、江戸期の後半に発行され一大ブームを巻き起こしたガイドブック的存在である名所図会の中でも、最も緻密な描写と評されている本です。

幕末にかけて出版されたこの本は、名所図会の中でも最も有名な「都名所図会」の出版から86年の時を経て描かれた京都の名勝の数々が掲載されています。同じ江戸期でも1世紀近く時代がずれると街の様子も変わっています。

例えば、鴨川沿いにある商店を見ると、都名所図会では露店のような出店が河川敷のような場所に多く見られるのに対し、花洛名勝図会では川岸が固められ、その上に立派な料亭や屋敷が建っているのがわかります。

他にも様々な絵画から京都の名所とその時代のリアルな生活の様子がわかります。

他の名所図会と一緒に読んでも、この一冊だけで読んでも楽しめるのではないでしょうか。

京都旅行中に読むと染みる本

『漱石の京都』2001年刊 水川隆夫・著(¥900円 税込)
 
漱石というと坊っちゃんでおなじみの松山のイメージがある人も多いかもしれません。

この本の著者は、その漱石が京都から非常に大きな影響を受けていたのではないかという問いを立て、漱石の4回にわたる京都旅行を再現することで漱石と京都の関係性を見つけていく、という内容の本です。

この本は、漱石の歩いた京都を再び追体験できるという点で、これ以上にない程旅行中にピッタリの本ではないかと思います。

本の中では漱石が京都旅行中に記した小説や俳句も紹介されているので、それを読みながら京都旅行をする気分になるのも面白そうです。

色々な楽しみ方ができるこの本で、漱石と一緒に京都を再発見できそうです。

井上書店

住所:〒606-8225 京都府京都市左京区田中門前町100
営業時間:月~土 10:30~18:00
定休日:日曜日
アクセス:元田中駅から徒歩10分
電話番号:075-781-3352


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