書店主のおすすめ「京都本」

京都同志社大学付近の書店「獺祭書房」店主おすすめ京都の本3選

カワウソのごとく、本を積みあげ続ける古書店

同志社大学にほど近い室町通り沿いに獺祭書房はあります。

店主の水野さんは元々同志社大学に勤められていた方で、2006年に古書店主となった今も同志社大学関係の本を扱っておられます。
それ以外にも純文学や哲学、民俗学書を中心に水野さんの選ぶ本が所狭しと並んでいます。

書店名の獺祭とは、カワウソが捕らえた魚を岸辺に並べる習性を引き合いに、傍らに本を積み上げる様のことをいう言葉です。

正岡子規も用いた獺祭の号になぞらえた店名からも店主のこだわりが見える素敵な書店です。

京都に暮らしながら読みたい本

『京都の明治・大正・昭和文学シリーズ』2007年、2009年、2011年刊 河野仁昭・著(¥1,000 税込)

このシリーズは、京都の近代文学研究をライフワークとする著者の集大成ともいえる本です。

京都に存在する各時代の文豪の足跡をたどると同時に、歌人から詩人まで歴史の中に埋もれていたあらゆる文学者に焦点を当てて京都の近代文学を克明に分析した内容は、非常に読みごたえがあります。

また、文学黎明期の明治初期から、戦争の足音とともにあった昭和初期まで各時代ごとにそれぞれ一冊の本にまとめてあるこの本からは、各時代ごとにどのようにして近代文学が発展していったか比較することもできます。

京都近代文学を掘り起こしたこの本で、今まで知られていなかった新たな発見をしてみてください。

京都へ訪れる前に読むべき本

『地図のない京都』1992年刊 甲斐扶左義・著(¥1,500 税込)

京都で写真家として活動する著者の撮りためた、懐かしくて面白い京都の風景を集めた写真集であるこの本。

モノクロの写真一枚一枚に京都の人々の営みが伝わってきます。

写真に写りこむ風景はもうなくなってしまったものも多く、時代の移り変わりとともに消えゆく京都のリアルを記録した写真にははかなさに似た悲しみを感じます。

一方であらゆるもの、人を分け隔てなく被写体とすることで、面白みを感じる写真も多くあります。

悲しみと面白み、一見して相反する二つの感情を同時に感じる写真こそが、この本の真骨頂なのかもしれません。

京都旅行中に読むと染みる本

『同志社の思想家たち 上・下』1965年、1973年刊 和田洋一・編(¥5,000 税込)

同志社大学と縁のあるこの書店ならではの一冊です。

同志社の思想家たちと銘打たれたこの本では、歴代の同志社卒業生の中のうち思想家として後世に名を残すべき人物に焦点を当て、その一人一人の功績について丁寧に解説されている歴史本です。

同志社の創立者である新島襄など有名な人物から、広く名前を知られていない思想的に優れた功績を残した人までバリエーションに富んだ同志社卒業生を、この本2冊でまとめています。

2018年に新編として再版されたものと合わせて読んでいただくことをお勧めします。

獺祭書房

住所:〒602-0031 京都市上京区室町通今出川上る裏築地町94 エスペラント室町1F
営業時間:12:00〜19:00
定休日:火
アクセス:今出川駅から徒歩3分
電話番号:075-431-1203


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