書店主のおすすめ「京都本」

京都の古書店「山崎書店」のおすすめ本3選|京都に暮らしながら読みたい本

植木と本に囲まれる、古書店

京都市 京セラ美術館から徒歩4分、左京区岡崎円勝寺町にある「美術書 山崎書店」

店主の山崎さんは、博識でこだわりを持っている方です。フィンランドやボストンで展覧会をするなど精力的な活動を行っている山崎さんだからこそ知っている海外のお話は、私たちの知らない面白いものばかりでした。

山崎さんはご自分でも本作りをされており、数年かけて製本した作品がこの夏出来上がるそうです。本について話す山崎さんは私たちの知らないことをたくさんご存じで、もっと聞きたい気持ちになります。

皆さんも本に囲まれる山崎書店で、店主の山崎さんと思い思いの時間を過ごされてはいかがでしょう。

山崎さんおすすめの京都本を3冊をご紹介します。

京都に暮らしながら読みたい本

『京都洋画の黎明期』黒田重太郎・著

この本は終戦後間もない昭和22年(1947年)に発行された京都洋画の歴史解説本です。京都洋画の第一人者黒田重太郎の著作で、京都の洋画を語るうえで欠かすことができない作品なのですが、戦後の混乱期の発行で紙も印刷も粗末、おまけに発行数も少なく長らく幻の名著と言われてきました。その後、平成18年に復刊されたこの書籍は、著者の絵画作品が図版で掲載されていて幾分か読みやすくなっています。

いにしえからの日本文化の中心地 である京都で洋画の歴史なんて、と思って読みはじめて驚きました。なんと桃山文化の色濃い戦国期には既に洋画家の集団があったと書かれているではありませんか。ここから京都の洋画がどのような道をたどっていくのか、読み進めるごとに興味の湧いてくる、そんな一冊です。

京都に旅行へ行く前に読むべき本 ①

『都林泉名所図会』秋里籬島・著

こちらは江戸期の1799年に刊行された全六巻の版画集です。庭園を中心に京都の名所を解説付きで庶民にも分かりやすく紹介しています。発売当時、大ベストセラーで売れに売れたこの版画集。一般的には庭園だけしか載っていないと思われがちですが、意外なことに南禅寺のそばにある繁盛店の湯豆腐屋や鴨川の料亭にある川床など、今も続く、庶民の日常を楽 しんでいる風景がたくさん紹介されています。

版画を見ながら当時の町衆が京都の町を楽しむ姿に思いをはせるのも良いですし、版画で紹介されている場所に実際に行って今の京都と江戸期の京都を比べてみるのも、また良い。歴史資料としてではない、新たな都林泉名所図会の楽しみ方をあなたも探してはいかがでしょう。

京都に旅行へ行く前に読むべき本 ②

『日本庭園史図解大系』重森三鈴 重森完進・著

昭和46年(1971年)に第一巻が発行された全35巻の日本庭解説集。日本全国の日本庭園 が図解とともに網羅されています。特筆すべきは、紹介されている全ての庭園で寸分狂わぬ 正確な図面が掲載されていることです。今どきなんでもデジタル化する世の中にあって、アナログの力を存分に見せつける図面の数々は一見の価値があります。

旅行先で訪れたい庭園があれば、この図解集の図面を事前に見て想像を膨らませてから行くと、訪れたときに一層感動するのではないでしょうか。もちろん図面だけでなく解説文や写真も充実しています。実際に訪れる予定が無くてもこれだけの情報量があればいった気になってしまいそうですね。日本庭園に興味がある人は是非一読されることを強くお勧めしたい、そんな一冊です。

美術書 山崎書店

住所:〒606-8344 京都府京都市左京区岡崎円勝寺町91-18
アクセス:京都市営バス 岡崎公園 美術館・平安神宮前駅から徒歩1分
営業時間:12:00~18:00
定休日:月曜日
電話番号:075-762-0249


書店主のおすすめ「京都本」
Share